東京高等裁判所 昭和48年(う)1575号 判決
被告人 大島登 外一名
〔抄 録〕
(四)刑法二三九条の「昏睡せしめ」とは、薬や酒を用いるなどして、被害者の意識作用に一時的または継続的障害を生ぜしめて、物に対する有効な支配をおよぼしえない状態に陥らせることをいうものであって、必ずしも意識を喪失させることを要しないと解すべきである。原判決がその判示事実(第二事実中「運動失調状態に陥って」とあるのは、運動失調をきたし、反抗不能の状態に陥ったことを意味するものと解される)に対し各刑法二三九条(第一事実についてはなお二四三条)を適用し、昏睡盗(第一事実は未遂)をもって論じたのは正当である。
(三井 石崎 杉山忠)